2年連続で賞金女王として日本女子ツアーに君臨していたイ・ボミだが、今年に入ってからは低迷が続いていた。ようやく、出場20試合目となるCATレディースで今季初優勝を果たした。低迷と復活の間に何があったのだろうか。
敵をなぎ倒しちゃう?
イ・ボミは、今季初優勝を飾ったCATレディースとその前週のNEC軽井沢のプロアマ大会のときに、LPGA相談役の樋口久子からスウィングの指導を受けていた。その感謝として「賞金の10パーセントを差し上げたい」とボミはコメントしていた。
しかし、「技術的に問題となる様子はありませんでしたよ」と語るのは多くの女子プロの指導をしている坂詰和久コーチだ。
「今年のオフにもインスタグラムなどでボミ選手のスウィング動画をチェックしていましたけど、変わったところはまったくありませんでした。不調と言っても、技術的な面から見る限り優勝は時間の問題だと思っていました」と坂詰は言う。そして、不振の原因はメンタルだったのではないかと坂詰は分析する。
「2年連続で賞金女王になって、本来は堂々としていればいいのですが、下からあおられてプレッシャーを感じてしまったのだと思います。とくに同年齢のキム・ハヌル選手の活躍はボミ選手の焦りになっていたのでしょうね。ボミ選手というのは、ドライバーが飛んだり、パターが抜群だったりと技術的に何か飛び抜けているものがある選手ではなく、すべて平均的に安定しています。そういう選手は技術的なスランプになりにくいものなんです。ゴルフを複雑に考えすぎていたのを、ちょっとしたきっかけでシンプルになれたのでしょう。おそらくそのきっかけはNEC軽井沢の最終日に6バーディ、ノーボギーでまわれたことではないでしょうか」
女子ツアーもいよいよ後半戦。日本女子プロ選手権や日本女子オープンなど大きな戦いが待っている。ボミの逆襲に期待が集まる。
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