ボールを”止めた”スピースのルール違反
 

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週刊ゴルフダイジェスト 2017/10/24号
2017/12/13更新

ボールを”止めた”
スピースのルール違反

 プレジデンツカップは米国選抜が世界選抜を19-11と圧倒したが、3日目のジョーダン・スピースの"ルール違反"が後味の悪さを残した。

 同大会3日目のフォアボール(2人がそれぞれ打ってスコアのいいほうをとる)は米国選抜がジョーダン・スピースとパトリック・リード、世界選抜はジェイソン・デイとルイ・ウエストハイゼン。オールスクェアで迎えた12 番パー4。ウエストハイゼンはグリーンの外からイーグルを狙い、強めにパッティング。しかし、カップを通りすぎ……。そのボールをスピースは完全に止まる前に自分のパターで拾い上げ、ウエストハイゼンに返した。というのも、すでにデイがバーディを決めていたからだ。

 ここで競技委員が待った。ゴルフ規則1-2「球の動きに影響を及ぼす、あるいは物理的条件を変える」。つまり完全にボールが止まる前に拾い上げるのは規則違反となる。規則1-2違反の場合、「マッチプレーでは、そのホールの負け」で、競技委員はスピース組の負けと裁定した。スピース組の2人はもちろん、副キャプテン、タイガー・ウッズ、さらに勝ったほうのウエストハイゼン組も納得できず、次の13番をコンシードするからオールスクェアで14番を迎えようと提案。しかし、これはプロの沽券にかかわると思ったか、スピース側が拒否。世界選抜チーム主将のニック・プライスも「馬鹿げたルール。スピースに悪かった。意図的にやったわけでもなく、悪意があったわけでもないのに」と憤慨。結局、この勝負はスピース組が2&1で勝利した。

 「マッチプレーだろうが、ストロークプレーだろうが、相手の動いているボールを止めることは明白なルール違反。スピースには痛恨の極みでしょうが、ルールなので仕方がないですね」とはルール研究家の小山混氏。ただ「この場合、競技委員は見て見ぬふりをしてスルーするというのが試合の面白さを活かす"ルーリング"では?」(ある競技委員)という意見も。次回のルール改訂に影響を及ぼしそうなケースだ。

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