「クラブは14本まで」。ビギナーでも知っているルールをプロ2人が違反。そもそもこのルール、どうやってできたの……?
葭葉ルミ(左) アン・シネ(右)
椿事が起きたのは女子ツアー、マスターズGCレディースの初日。1人目は葭葉ルミ。15番パー5の2打目地点、7番アイアンで打とうとした時に同じ番手が2本入っていることに気付いたという。前日練習した7Iを抜き忘れたということだが、ゴルフ規則4-4「クラブは最高14本まで」に違反するとして「1ホールにつき2打罰、ただし1ラウンド4打罰まで」で、4打罰がついた。
もう1人はアン・シネ。2日目朝、スタート準備中にクラブ超過に気づき申告。前日の超過4打罰のほか、スコア誤記の「違反した最初の2ホールに対し2打の追加」で、計8打罰となり、シネはショックのため棄権。
2人とも不注意の謗そしりは免れないが、そもそもこの「クラブは14本まで」のルールはどうしてできたのだろうか?
スコットランドでゴルフが始まった当初は本数に制限はなく、1859年に全英アマに出場したジラートという選手が55本のクラブをリヤカーに乗せて試合に臨んだという記録が残る。さらに、1936年、英米アマ対抗のウォーカーカップ(米国パインバレーGCで開催)で、米代表のボビー・ジョーンズと英代表のトニー・トーランスがクラブ本数について協議。ジョーンズが年間グランドスラム(1930年)を達成した時のクラブは16本。トーランスが1試合で使用した本数の最多は12本。2人の間でその中間をとり「14本で」となり、見解をトーランスがR&Aルール委員長のロバート・ハリスに伝えた。その結果、1939年制定へとつながったという。
スコットランドの名門、ノースベリックGCそばで生まれ、同コースの"草ゴルフ"で育ち、シェイパーとして世界も巡るベンジャミン・ウォレン氏は「故郷では14本持ってゴルフするのはプロだけ(笑)。私はスプリットセットをかついで世界どこでも行きます」。スプリットセットとは初心者のハーフセットとは違う。ドライバー、パター、ロング、ミドル、ショートアイアン、ウェッジ2本の計7本。これぞレスイズモア!
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