17年年頭、世界ランク1位だったジェイソン・デイ。しかし10月27日現在9位まで後退している。そのデイがつい数日前「バーンアウトした」と意味深な発言をした。果たしてその真意とは?
元ナンバーワン
15年に全米プロを含む5勝を挙げたデイはその勢いのまま16年も3勝を挙げ世界ナンバー1に上り詰めた。ところが第5のメジャー、プレーヤーズ選手権に優勝したあとぱったり勝てなくなった。「ナンバー1になった途端、どうすれば良いのかわからなくなった。以前と同じように練習して課題に打ち込んでいるつもりなんだけれど、上手くいかなくなった」
一度歯車が狂い始めると歯止めがきかない。追いうちをかけるように最愛の母デニングさんが肺ガンを患い余命1年と宣告されたのだ。12歳で父を亡くしてから女手ひとつでデイを育て、道を踏み外しそうになったときも軌道修正をしてくれた母。
「母は僕がゴルフをする理由のすべて。母がいなくなると考えたらゴルフどころじゃなかった」と、人前もはばからず涙を流したデイ。幸いデニングさんの手術は成功したのだがデイのモチベーションは上がらなかった。
実はデイ、かつて「真剣にゴルフをやめようと思ったことがある」という。2011年、初めて出場のチャンスをつかんだマスターズ直前に「もうやめる。ゴルフなんて楽しくない」とクラブを置く決心をしたというのだ。
しかし、そのときは周囲の人々の説得で気持ちを改め、初出場したメジャーの舞台でシャール・シュワーツェルに次いで2位タイに食い込んだ。それが転機となり「競技の楽しさ」に目覚めた彼は世界ナンバー1を目指しまっしぐら。そして花開いたのだが「15年から16年の消耗度は想像以上だった。バーンアウトしていた」と振り返る。
ナンバー1になるのも難しいが、その座をキープするのはもっと難しい。幸いデイは「どん底は脱した。いまは勝ちに飢えている」と、気力は戻りつつあるようだ。
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