男子下部ツアーでスコア改ざんの疑いが持ち上がっているが、もしそれが本当ならゴルフの精神の根幹を揺さぶる問題であろう。
一部メディアによると、舞台はJGTO(日本ゴルフツアー機構)下部ツアーの太平洋クラブチャレンジ最終日。疑いを持たれているのは20歳の選手。プレーを終えてスコアカードを提出する前に、スコアを記録するマーカー(同伴競技者)が記入した数字を消して、故意にスコアを書き換えた疑いだ。
1番パー5でボギーだったところが「5」になっていたと関係者が指摘。選手は「パーだった」と主張したが、競技委員がほかの選手に聞き取りしたところ、ボギーと認定され、過少申告(ゴルフ規則6-6d)によって競技失格となった。問題はその過少申告が単なる勘違いであったか、故意に書き換えたものかでまったく違ってくる。複数の関係者によると、消しゴムで消した痕跡があったというが……。
JGTOでは「今、調査中です。もしそれが書き換えであったなら、懲罰委員会が開かれることになります」(広報・田中謙治)とのこと。
もし故意ならば、トーナメント規定では「除名」「出場停止」「制裁金」「厳重注意」の4つの処分があり、かつて06年に改ざんが発覚した男子選手には5年間の出場停止と200万円の制裁金が科せられた。
こういった改ざん問題の多くは「ジュニア時代に起因するのでは」というのは、厚木北高元ゴルフ部監督で、教諭でもあった古谷浩氏。現在もジュニア教育に携わっている。
「ジュニア選手の多くは、親の顔色をうかがうスコア至上主義になりがち。親たちが成績次第で褒めたり貶したり、アメとムチの落差が大きすぎるのです。とはいえ、マーカーがつく全国大会ではそういう子どもは生き残れないのも事実」(同)
1800年代、全英アマを2回獲り、編集者としても有名なホレス・ハッチソンは「ゴルフでは自分が審判。これこそがゴルフの根幹精神。ゴルファーは狡猾なことはしないという性善説にのっとっている。だからこそそれを破った時には社会的制裁を受ける」と喝破している。
ゴルファーはもう一度、この精神について考えてみるべきだろう。
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