日本では、カヌーの選手がライバルに禁止薬物を飲ませたというニュースが世間を騒がせているが、アメリカのPGAツアーでは過去1カ月の間に2人の薬物使用による出場停止処分を受けた選手がいることが明らかになった。
先の1月8日に発表されたのは、昨シーズンシードを失ったカナダ出身のブラッド・フリッチ(40)という選手。ダイエットのために薬局の店頭で購入したサプリメントの中にDHEAという筋肉増強剤の成分が含まれていたことを知り、自己申告。3カ月の出場停止処分(復帰は2月28日)を受けた。「サプリメントに何が含まれているか質問しようと考えなかった自分にひどくがっかりしている。アンチドーピングプログラムのルールでは、自己申告もテストでの陽性も同じだと規定されているが、私はプログラムが正しいものだと信じている。PGAツアーのメンバーであることを誇りに思っており、(処分を)重く受け止めている」とフリッチ。
もう1人の選手は、オーストラリア出身のマーク・ヘンスビー(46)という選手で、昨年12月11日にドラッグテストのサンプル提出を怠ったとして、1年間のウェブドットコムツアーの出場停止処分を受けている。
08年に米ツアーでドラッグテストが導入されて以来、フリッチで5人目の出場停止処分(2013年にビジェイ・シンが停止処分を受けており、これを含めての5人だが、シンはその後に処分を取り消されている)だ。10年でたった5人の処分にもかかわらず、そのうちの2人の処分が昨年の12月からの1カ月間に起こった。これは、今シーズン、つまり昨年10月から、これまでの尿検査に加えて、血液検査を導入するなど、薬物に対する規制がより厳しくなったことも影響しているだろう。もちろん、その背景にはゴルフが五輪種目になったこともある。
ただ、シンを除き、ドーピングで処分を受けた選手がアメリカ出身以外の無名選手ばかりなのは不可解とする論調もあるのだが……。
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