そしてまたもトランプ大統領の話題をひとつ。ゴルフ界では、頼りになるのは大統領よりジャック・ニクラスやデービス・ラブⅢだというのだ。
就任2年目で大統領自身が誇っているのは株価の上昇だ。その要因となったのは、昨年末に大統領がサインをした法人税の減税。ただ、減らした分はどこかで補てんしなければならず、とくにターゲットとなったのがゴルフ界だ。
これまで50%が控除されていたゴルフの接待交際費(ビジネスエンターテイメント控除)が、今年からなくなってしまうのだ。増税と減税のパッケージで、この法案が提出された時は、PGAツアーやLPGAのいわばNPO的な法人格の見直しも含まれていた。米ツアーのジェイ・モナハンコミッショナーは大慌てで、ニクラスやラブなどに「あなたの助けが必要だ」と連絡。すると、ニクラスは手紙と電話で訴え、「上院議員に知り合いが多い」というラブは、実際にワシントンDCに赴いてロビー活動。ツアーが増税されるのを防いだという。
一方、接待交際費の控除については、業界は、もともと大統領がゴルフ界とつながりが深く、理解ある議員も多いとして、ゴルフは対象外になるだろうと"甘く"見ていたフシがある。結果、ロビー活動が後手に回ったうえ、大統領は年末にあっさりサイン(レストランでの飲食費の接待控除は据え置き)。
接待交際費の控除については、かつて100%控除だったが、1980年代に80%に、90年代に50%まで引き下げられており、今回これが0になったことで、210億ドル(約2兆3000万円強)の税収増が見込まれている。業界からは"トランプ大統領はあっさり裏切る"との恨み節が聞こえてきそうだが……。
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