大会に出場していないのに話題になるのは大物の証。ケガで松山英樹が大会を棄権したときの米メディアの反応はまさに大物に対するそれだった。
アーノルド・パーマー以来55年ぶりに3連覇に挑んだウェイストマネジメント・フェニックスオープン。松山本人も「3連覇なら夢が叶う。これまでの努力が報われる」とV3への意気込みを熱く語っていた。
ところが大会初日「13番で痛みが走った」と左手の親指から手首を負傷。試合後、トレーナーが施術したが痛みは引かず、2日目のスタート前に「これ以上(患部を)悪化させたくない」と苦渋の決断で棄権を決めた。
するとアメリカのゴルフメディアはいっせいに「25歳、ツアー5勝のジャパニーズスターが無念の棄権」「ヒデキ・マツヤマが手首の負傷で戦線離脱」などとトップで報じた。
テレビ中継でもアナウンサーが「パーマーに並ぶ大記録に挑んでいたヒデキ・マツヤマが左手首のケガですでに会場を後にしました」「あいにく今回はディフェンディングチャンピオンがいない大会になってしまいました」と松山の不在を残念がる口調。
棄権が決まった後の米メディアの反応はアウェイで戦う外国人選手への対応とは思えないほど破格の扱い。その場にいないことが逆に存在感を際立たせる結果となった。
もちろん世界ランク6位のトップランカーなのだから当然といえば当然だが、ゴルフチャンネルでは試合中継の合間のレッスン番組でも松山を取り上げ、彼のスウィングがいかに力強く効率が良いかを解説するなど知名度の高さを再認識させられた。
それにしてもプロゴルファーにつきものの左手親指のケガの状態が心配だ。タイガー出場のジェネシスオープンも欠場する松山には、やはり不在で存在感を見せつけるのではなく優勝争いをして存在感をアピールしてもらいたいものだ。
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