30年で70m侵食進んだ?温暖化でリンクスが存亡の危機
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2018/03/06号
2018/03/05更新

30年で70m侵食進んだ?
温暖化でリンクスが存亡の危機

 ゴルフの聖地、スコットランドのリンクスでプレーしてみたいという人は多いだろうが、できるだけ早く行ったほうがいいかもしれない。

地球温暖化が進んでいることはよく知られているが、とくにスコットランドを含むイギリスでは、その影響が著しいという。R&Aのゴルフコース管理のディレクター、スティーブ・アイザック氏は「スキーを別にすれば、ゴルフほど気候変動の影響を受けているスポーツはほかにないと思う。プレーできないホールや冬期の休場、プロトーナメントでの中断も増えているように感じている。実際、これまでとは違うタイプの芝の病気や害虫、雑草の急激な繁殖が、これまでは考えられなかった時期に発生するのをこの目で見ている」という。

アイザック氏の言う「プレーできないホール」というのは、海水面が上昇し、海岸線が侵食されることによって、リンクスコースの一部が海に飲み込まれているコースが出始めているということ。たとえば、世界で最も古いコースの一つ、モントローズ・ゴルフ・リンクスでは、過去30年間で70mもコースのほうに侵食が進み、使えないホールが出ているという。このまま温暖化が進めば、2100年には世界中のすべての海岸線にあるコースは水没することになるという驚きの報告もある。

加えて、とくに秋・冬の温暖化、雨の多い異常気象のせいで一時休場を余儀なくされるコースも増え、グラスゴー近郊地域では2016~17年、10年前に比べてプレーできる日数が20%も落ち込んでいるとか。また、セントアンドリュースでもプレーのできない日数が多いことやコースコンディション悪化を理由に、クラブのメンバー数が20%近く減ったとも報告されている。「気候変動による海水面の上昇と嵐の数の増加は、すでにその誕生の地で歴史あるゴルフ場に影響を与えている」とは、リード大学気象学のピアース・フォースター教授。

温暖化をストップさせない限り、状況は悪くなる一方だ。

 
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