グレッグ・ノーマンが、オーストラリア政府のためにまたも活躍したようだ。
トランプ氏が大統領選に当選した際、オーストラリアの首相がノーマンからトランプ氏の電話番号を聞き、いの一番に祝いの電話をかけたというエピソードを知っている人も多いだろう。当時、ノーマンは「通常私は、誰にも私のデータベースにある電話番号を教えることはないのだが、オーストラリア首相がアメリカ大統領に電話をかけるというのは、正しいことだと思い教えた」と話していた。
しかし、今回の働きは"勲章もの"かもしれない。まだ、この原稿を書いている時点(3月22日)では確定していないが、例の鉄鋼、アルミニウムにかけるアメリカの関税について、カナダ、メキシコとともにオーストラリアも除外されるようなのだ。それにノーマンが一役買ったという。「連絡できるところには、すべて電話した」と語るのは、オーストラリアのジュリー・ビショップ外相。この女性外相は、ノーマンをはじめ、トランプに近いとされる民間企業のトップなどを総動員して、大統領へのロビー活動をするよう依頼したことを認めている。ノーマンが実際に直接トランプ大統領に電話をかけたかどうかは確認のしようがないが、少なくともオーストラリアへの関税をかけないようにと、大統領に手紙を書いたことは、ビショップ外相も認めている。
もちろん、オーストラリアの除外はノーマンだけの功績ではないが、親しいものには寛容なトランプ大統領だけに、ノーマンによる働きかけは、少なからず影響を与えたと思われる。
わざわざアメリカまで出向いたものの、交渉相手が解任されていて「残念だ」と嘆くどこかの国の外相とは大違い。トランプ大統領と親しいはずの日本の首相も、財務大臣も、いまはモリカケ問題で手いっぱい。関税についての働きかけの話など、とんと聞かないのだが、大丈夫なのだろうか? ならば、ここは大統領とラウンド経験のあるヒデキの出番……なわけないか。
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