新ルールがUSGA(全米ゴルフ協会)、R&Aから発表された。「わかりやすい」と評判だが、「ゴルフの大原則を冒す項目もある」と危惧する識者もいる。
ドロップといえばこうだが……
現規則から変更されるのは37カ所。主なものを規則文でなく、簡略文で挙げると……。
◆グリーンで偶然にボールを動かしても無罰。
◆2度打ちは無罰。
◆救済エリアの計測には1クラブレングス、2クラブレングスを用いず、20インチ(50・8㎝)、80インチ(203・2㎝)とする。
◆ドロップはひざの高さからまっすぐに。
◆紛失球を探す時間は3分に。
◆グリーンでスパイク跡の損傷は直せる。
◆グリーンでパッティングの時、立っている旗竿に当たっても無罰。
◆ハザード内でルースインペディメントを動かしたり、地面に手が触れても無罰(クラブも)。
◆バンカーに球がある時、クラブが砂に触れても無罰。◆バンカーのアンプレヤブルは2打罰でバンカーの外から打てる。
◆ボールを確認する時、他のプレーヤーかマーカーに告げなくてもよい。
などだが、今回の新ルールをルール研究家の小山昆氏は「個々のルールはともかく、原文を読んでも非常にわかりやすいし、条文も整理されている。これなら万人に理解されそうです」と評価する。
ルールが複雑化、難解化した原因は「善意の第三者を救うために例外を作っていったから」だという。例えば、バンカーで偶然転んで手をついた場合を救おうと条件を重ねていった。しかもR&A、USGAのルール委員会はほとんどが弁護士。徐々に法律書のようになっていったという。
「簡略化されたことには賛成ですが、ただ一点、『ボールを確認する時、自分だけの判断でいい』というのは、ゴルフの大原則である『Play aball as it lies』(ボールはあるがまま)が、崩される怖れがあります。日本でのクラブ競技などでは乱れると思いますよ」とはR&A、USGAの競技委員を務めた川田太三氏。
今回のルール改正はUSGA主導で行われたというが、「ちょっと急ぎすぎて、熟慮に欠けた点もある」というのが川田氏の感想だ。
(※新ルール、項目についての詳述は次週号で)
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