WGCデル・マッチプレーでダスティン・ジョンソン(DJ)が驚異の489ヤードドライブを炸裂させた。これは04年にデービス・ラブⅢがマークしたツアー最長不倒の476ヤードを凌駕するもの。ところが公式記録には残らないという。なぜ?
この男、規格外につき……
世界ランク1位のDJが489ヤードをマークしたのは予選マッチ3日目、12番パー5。追い風、ダウンヒル、硬くランが出るフェアウェイという飛ばすための条件は揃っていたが、500ヤードまであと11ヤードと迫ったのだから衝撃的。対戦相手のケビン・キスナーも350ヤード飛ばしたが、DJの姿は遥か139ヤードも前方。
「残り80ヤードだったからイーグルは間違いないと覚悟した」とキスナーはいうが、実際には両者バーディでそのホールは引き分け。結果4&3でDJを撃破して勝ち進んだ34歳は、決勝マッチでバッバ・ワトソンに敗れたものの準優勝の好成績を収めた。ちなみにDJは予選敗退だった。
それにしても489ヤードが正式なツアーのレコードブックに載らないのはどうして? 答えはシンプル。マッチプレーだからである。
ストロークプレーと違いコンシードされた場合ホールアウトせずに雌雄が決する。そうなるとたとえばデータにSGパッティング(パットのスコアに対する貢献度)などの正式な数字を算出することはできない。それゆえデータはレコードブックに残さないのだ。
すべての選手の1打ごとのデータを計測するショットリンクシステムをPGAツアーが運用しはじめたのが04年。その年にラブⅢがカパルアGプランテーションコース(トーナメント・オブ・チャンピオンズ)でマークした476ヤードのロンゲストドライブ記録を今回DJは塗り替えることはできなかった。
とはいえプロ仲間からファンまで多くの人にあまりにも強烈なインパクトを与えたDJ。489ヤードは記録ではなく記憶に残る1打となった。
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