週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

"素手"でメジャー獲り！
無名覇者が個性満点!?

　　米女子ツアーのメジャー初戦ＡＮＡインスピレーション（以下ＡＮＡ）は8ホールに及ぶプレーオフの末ツアー未勝利のパーニラ・リンドベリが優勝。メジャー７勝のパク・インビを破ったリンドベリって……いったい何者？

　今年のＡＮＡは異例づくめ。大会前は昨年４打罰に泣いてＶ逸したレクシー・トンプソンに注目が集まったが、終わってみれば初日からトップを走った無名の31歳が完全優勝を達成した。三つ巴のプレーオフも大会史上初なら日没で翌日に決着が持ち越されたのも初。メジャー史上最長プレーオフ記録のおまけがついた。

　　なによりヘレン・アルフレッドソン、アニカ・ソレンスタムに続くスウェーデン人３人目の栄冠に輝いたリンドベリは知れば知るほど面白い。

　　ストックホルム郊外で生まれ、両親の影響で３歳のときにクラブを握ると、憧れのアニカを目指しリッキー・ファウラーの母校として知られるオクラホマ州立大学にゴルフ留学。卒業後プロ転向し、欧米両ツアーでプレーするも目立った活躍はない。リオ五輪にも出場したが31位タイ。大会前の世界ランクは95位だった。

　　そんな無名の彼女が突如の大ブレイク。「高校のとき将来の夢を考えたの。『メジャーで優勝する』って目標を立てたけど、自分でも大きすぎる夢だと思っていた。それが現実になってこれからメジャーチャンピオンって呼ばれるなんて信じられない！　うれしすぎる！」

　　プレーオフ８ホール目、10メートル近いバーディパットを沈めて勝つとギャラリーのまばらな会場で恒例通りポピー池への勝者のダイブを敢行。キャディで婚約者のダニエル・テイラーさんと抱き合って喜びを分かち合った。

　　それにしても市販のレディス用ドライバーＰＩＮＧ ＧＬｅを使い「生涯グローブをしたことがない」と、まさしく＂素手でつかんだ＂メジャー勝利。異例づくめの大会で異色のチャンピオン誕生と相成った。

　
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