ほとんど誰も予想していなかったパトリック・リード(27)のマスターズでの勝利。地元の大学出身にもかかわらず、最終日はパトロンの多くがマキロイを応援。リードって一体……?
ジェニファーさん、ナイスアシスト!
知名度こそイマイチだが、リードの経歴をチェックしてみると"勝てる実力"は十分だった。1990年以降、24歳の誕生日までに米ツアー3勝しているのは、リードを含め、タイガー・ウッズ、フィル・ミケルソン、ローリー・マキロイ、セルヒオ・ガルシア、ジョーダン・スピースの6人。25歳までの4勝はタイガー、マキロイ、ガルシアとリードの4人だけ。
リードはジュニア時代から頭角を現し、16歳で全英ジュニアオープンに優勝。05〜07年の3年連続、アメリカのジュニア協会から表彰されている。当時、リードがよくプレーしていたコースのマイク・ジョンソンというプロによると「彼はものすごい上昇意欲があったから、誰も(練習などを)強いる必要がなかった」という。
しかし、わが道をゆく"一匹狼"のスタイルでチームプレーには向いていない上に、傲慢さもあったのだろう。最初に入学したジョージア大学では、ラッセル・ヘンリーやハリス・イングリッシュなど、のちにプロになる"有力上級生"がいたこともあり、すっかり荒れてしまった。偽の身分証明書を作って酒を買い、飲酒運転にケンカ……。さらに、ゴルフの試合でもごまかしがあったと指摘されて放逐。転校したオーガスタ大学でも、ゴルフチームからは孤立。ただし、試合の成績だけは着実に残していった。結局20歳でプロ転向するも、頼れる先輩や仲間もいない。コースマネジメントに苦しんだが、それを救ったのが4歳年上のジェニファー夫人だ。2012年の結婚前後からキャディとなり、2年後に長男が誕生するのだが、妊娠中も可能な限り"勤務続行"した強者。リードは「かつて常にピン狙いで、全てのホールでバーディを取ろうとしていた。それを彼女は落ち着かせ、考えることを教えてくれた」という。13年にスピースを破って、ウィンダム選手権で初優勝すると、あとはトントン拍子。捨てる神あれば拾う神あり。勝利の女神とは彼女のこと?
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