週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

「Staystrong」
タイガー、ファンの夢を叶える

　　３年ぶりに登場したマスターズでタイガーがとあるファンの夢を叶えていた。

　ことの発端は一件のツイッターだった。「どうか私の継父の＂タイガーに会いたい＂という夢を叶える手助けをしてください。（中略）容態は深刻です」。ジョーダン・ミラーさんがつぶやいたのは４月１日のこと。継父シェーン・カルドウェルさんは大のゴルフ好きで、タイガーフリークでもあるが、ステージ４の肺がんとの診断を受け、現在は病魔と闘う日々だ。

　余命宣告を受けた継父の夢を叶えたい一心で家族は入手困難なチケットを手に入れ、せめてタイガーと同じ空間にいさせてあげたいと考えた。だが「せっかく同じ場所にいるなら対面する手立てはないか？」と模索。とはいえ相手は天下のタイガー。おいそれと会えるものではない。そこでツイッターで拡散を訴えると１万件近くリツイートされ、ついにはタイガーの関係者の知るところに。

　「エリカさんの口添えが大きかったです」（ミラーさん）。エリカさんとは現在のタイガーの恋人ハーマンさんのこと。じつはタイガーも彼女も最愛の父をガンで亡くしている。

　そして奇跡が起こる。

　「木曜日の朝９時15分から30分の間に練習場に来てください」と関係者から連絡があったとき、ミラーさんは興奮した。継父には教えず練習場へ誘導。すると指定された時間、練習終わりのタイガーが登場。手袋を外しサインするとシェーンさんの前に立った。

　「あなたがシェーンさん？」笑顔のタイガーは手袋を差し出した。そこには「Ｓｔａｙｓｔｒｏｎｇ（強く生きて）」の文字が。がっちり握手を交わすとシェーンさんはタイガーに「頑張って！」と声をかけた。

　「最初はあまりにも突拍子がなくて誰からも相手にされないと思ったけれど、こんな結果になるなんて」とミラーさん。ソーシャルメディアの恩恵といえるこのエピソード。タイガーの新恋人・エリカさんの印象もアップ！

　
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