週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

スポーツ賭博ＰＧＡツアーは合法化後押し。
理由は……

　　結局は金の問題か……？米ＰＧＡツアーのジェイ・モナハンコミッショナーが、先ごろ、スポーツ賭博の合法化をサポートすると米紙で表明。これがちょっとした話題になっている。

　モナハン氏は　「不法なブラックマーケットと海外のブックメーカーが横行するという現在のスポーツ賭博の状況を考えてほしい。現状では、何が起こっているか闇の中だ。もし、スポーツ賭博が合法化され、法律で規制させられれば、競技の品位がより確実に保証されることになる。今は存在しない、顧客に対する＂適切な保護＂を与えることができる。加えて、（合法化をサポートすることで）営業上のチャンスをもたらしてくれるのも一つの理由だ。選手にプレーと財政面でのチャンスを最大限にもたらすことができる」と語る。

　つまり、今は野放しになっているスポーツ賭博を法律で規制し、賭け屋から０・25～１％の上前をはねる、ということらしい。確かにＰＧＡツアーは、クリーンなスポーツというイメージや品位を保つために、八百長がないよう、不審な賭けがないか専門の業者を使って見張らせている。しかし、スポーツ賭博の合法化がどうゴルフの品位を守ることにつながるのかは疑問だ。

　もっとも、この問題自体は、州の自治権を国がどこまで制限できるかという憲法判断になる大きな話だ。この７月頃までにアメリカの最高裁が、現在ラスベガスのあるネバダ州だけに認めているスポーツ賭博を、他の州（ニュージャージー州が訴えた）にも認めるかどうかの判断が下される。税収増を狙う各州に、野球の大リーグやバスケットのＮＢＡが相乗りして合法化を後押ししているのだが、これにＰＧＡツアーも加わると表明したというわけだ。

　しかし、ネバダ州内に限られているスポーツ賭博も、インターネットの普及で様変わり。イギリスのブックメーカーなどの利用も可能になって、今や有名無実。とはいえ、合法化されれば、さまざまな州が名乗りを上げて、賭け屋が乱立することもありうる。アメリカの最高裁がどんな判断を下すかが注目される。

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