あなたの「とりあえずビール」が、芝の育成や環境保護に一役買う、というちょっと"不思議な"話。
鋭意研究中!
環境に配慮した「ビール酵母細胞壁」を使った画期的肥料が研究されているのだ。
アコーディア・ゴルフではかねてからアサヒバイオサイクル、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構とタッグを組み、環境にやさしいコース管理の実現に取り組んでいる。そして、このほどビール醸造副産物であるビール酵母細胞壁を活用した肥料の試験結果を発表。この肥料を使用すると、芝の生長性と免疫力が向上し、農薬と化学肥料の使用量が減少。その結果、温室効果ガスの排出量がコース全体で約47%減少する計算になったという。
同肥料が芝に与える効果のメカニズムは──。同細胞壁に含まれるβグルカンはカビの構造に似ている。植物の病気のほとんどはカビが原因なので、芝はβグルカンに触れると病気と勘違いし、病気に打ち勝とうと発根を促進するホルモンを増加させる。その結果、根が大きく広がり、多くの栄養分を吸収するようになり、生長性と免疫力が向上するというもの。
これらの実証結果は共同研究者である農研機構農業環境変動研究センターの林清忠博士によって学会で発表されている。
「習志野CC、成田GCでの結果をもとに今年から使用コースを10~15に増やしてコース全体で温室効果ガスの排出量削減を図ります」(同社広報部)
ただ、肥料というのは肥料取締法に基づき登録しなければ認められないので、まだ名前はついていないという。ラウンド後のビールは旨いが、ビール醸造副産物もゴルフ場に大いに役立っているのだ。
【関連記事】こちらも注目です!
2008/09/11 芝からバイオエタノール抽出、肥料作り、刈り芝使った新技術が話題に
2005/11/09 ゴルフ場で和牛飼育や有機野菜作り遊休地を利用した徳山国際CCの試み
一覧へ戻る
|