"飛びすぎるボール"制限の論議が復活する? 昨年まではR&AもUSGAもゴルフ用品の制限をまだ考えていないとしていたが、ここにきてまた"風向き"が変わってきている。
というのも、この両団体が2003年から統計をとっているプロツアーの年間平均飛距離が16年から17年末にかけて大幅に上がったからだ。欧州ツアーでは、昨年の年間平均飛距離は約292ヤードで、過去15年間に5・4ヤードほど飛距離が伸びているが、このうち3・6ヤードは16~17年の1年間で伸びたもの。米PGAツアーも15年間で6・6ヤード伸びて293ヤードとなっているが、1年間で2・5ヤード伸びている。
USGAのマイク・デイビスエグゼクティブディレクターは「アメリカの野球場で、チタニウムのバットを使って、よく飛ぶボールを使用していることを想像してもらいたい。そんなことがゴルフでは起こっているんだ。今年の全米オープンの会場となるシネコックヒルズは、過去120年に2000ヤードもヤーデージを伸ばしている」とコメント。例えば、ダスティン・ジョンソンが80%の飛距離しか出ないゴルフボールを使えば、6500ヤードの古い"名門"コースでも、バックティから十分に競技できるとしている。ジョンソンの今年これまでの平均飛距離は308ヤード。もし80%しか飛ばないボールを使えば、246・4ヤードになる。デイビス氏は、コースやプレーヤーによって、さまざまな種類(飛距離)のボールがあっても良いという一つのアイデアを出している。
先のマスターズでは、オーガスタナショナルのF・リドレー会長が「関係するすべてのゴルフ団体が集まって協議をする必要がある」と提案。今年もこのまま、プロの飛距離が伸びるようなら、東京五輪の頃には、なんらかの規制がかかるかもしれない。
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