東京五輪会場の霞ヶ関CCが3人の女性正会員を承認。男女差別はなくなった"と報道されているが……。
まず、ここに至る経緯を簡単に辿ると──。2014年、同CCは東京五輪会場に決定したが、その直後、IOC(国際オリンピック委員会)は「男女差別は認めない」決議をした。しかし、その時点でも会員(約1800人)のなかには週日会員、家族会員として約220人の“女性会員"がいた。この実態がIOCには伝わらなかったようだ。
女性会員は日曜日にプレーできないと喧伝されていたが、夏、冬、5月のゴールデンウィークなど条件付きでプレーできていた。それがいつしか女性に“正会員"がいないから差別だと“外圧"がかかった形となった。
男女差別だと問題となった例として、メジャーを開催するオーガスタナショナルGCと全英オープンのミュアフィールドがある。前者は2012年に、80年の禁を破り、2人(元国務長官のC・ライス氏ら)の女性会員を受け入れ、後者は昨年、1774年以来の伝統を破り、会員の決議で女性会員の入会を認めた。しかし、この2つのコースには、もともと女性会員がまったくいなかったのだから、霞ヶ関CCとは事情が少し異なる。
実は霞ヶ関CCには過去女性正会員はいたのである。
「1950年代には2人の女性正会員がいましたが、息子さんに譲ったりして退会されていなくなりました。それを機に、定款に『正会員は男性に限る』との文言が入ったのです。そしてこの度、週日会員全員に正会員募集を呼びかけたところ、30人が応じ、そのなかに3人の女性会員が入っていました。それならば例の文言を削除しようとの意見の一致をみたわけです。これで結果的にすっきりしました」(同倶楽部、総支配人・今泉博氏)
週日会員から正会員になるには数百万円とされる転籍料がかかるし、年会費も倍になる。「なりたい」と言う女性が少なそうなのは想像できるが……。
正会員となった3人が誰なのかは大いに気になるところだが、同CCはオーガスタナショナルと違い、個人情報の発表はしない。
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