熊本地震からはや2年余り。被害を受けクローズを余儀なくされたゴルフ場もあるが、ぞくぞく再オープンを果たした。最後に残っていた2カ所のコースにも復旧の見通しがやっと立ってきた。
まず阿蘇東急GC。地震によりフェアウェイの各所に1メートルの段差ができ、クラブハウスは全壊してしまった。しかし、9ホールながら、7月2日、仮オープンにこぎつけることになった。コースは2年間放っておくと、とくにグリーンへの打撃が大きいが、同コースでは芝刈りなど、できる範囲は手を入れていた。それゆえ、従来の芝にオーバーシードすることで済むという。
また九州電力の依頼により、送電のための鉄塔を仮設して1ホールを提供もしている。だから9ホールの仮開場となったわけだが、問題は全壊したクラブハウスだ。「ちょうどというか、2番ホールに隣接した日赤の研修所をゆずってもらってゴルフ場に必要な設備を改装し、クラブハウスとしました。経費はかかりましたが、ほんとうに助かりました」(阿蘇東急GC総支配人、吉野和男氏)
もう1カ所はくまもと阿蘇CC湯の谷C。県内でもっとも古い開場(昭和27年)で、ブルドーザーなど重機を入れず自然の地形を生かしたことで有名なコース。設計はあの名匠・井上誠一。“井上ラインと呼ばれるフェアウェイの優しいうねりが特徴で、全国から再開を望む声が澎ほう湃は いとして起こっていた。しかし、復旧を遅らせたのは水事情だ。配管全滅状態で散水、飲料水が途絶えた。しかし、配管設備、給水塔が8月に完成の予定で復旧の目途が見えてきたという。
「草刈りは可能な限りやっていましたが、散水できずグリーンは壊滅状態。イチから造り直しです。また“馬の背"の異称がある名物の3番(パー5)は亀裂が走っていますが、どうしてもそこは部分的にでも残したい。パー71でのレイアウトも検討中です」(くまもと阿蘇GC支配人、甲斐文康氏)
同コースの姉妹コースにくまもと城南CCがあることから、会員のプレー面など融通してもらっている。また湯の谷を通る阿蘇登山鉄道が復旧したのも大いに味方している。
再開は来年秋を目指しているとのこと。
ゴルファー皆で応援したい。
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