全米OP出場のアマチュアを巡るストーリー
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2018/07/10号
2018/07/26更新

全米OP出場の
アマチュアを巡るストーリー

 ブルックス・ケプカの2連覇に沸いた全米オープン。その陰にあったアマチュアたちが紡ぐもう1つのドラマとは?

 大会史上最多タイとなる20人のアマチュアが出場するなか、予選を突破したのは3人。ローアマに輝いたのは31歳の消防士マット・バジアレと20歳の大学生ルイス・ガニェだった。スコアはともに通算15オーバーでミケルソンと同じ48位タイ。大物が相次いで予選落ちした大会で、安定したプレーが光った。

 バジアレの名に聞き覚えがある人もいるだろうが、今年のマスターズに出場した選手でもあり、そのニュースは本誌でもお伝えした。パジアレは、昨年のミッドアマに勝ちマスターズにも出場したが予選落ち、今回見事雪辱を果たした。じつは彼、一度はプロを経験している。しかしミニツアーで燻っているうち軍資金が尽き、今回バッグを担いだ父・ヴィック氏と同じ消防士になることを決意。「PGAツアーでプレーするのが夢だった」というが「でも2度とミニツアーには戻りたくない」とプロ転向は完全否定。アマの矜持を貫くという。

 コスタリカ出身、ルイジアナ州立大学のガニェはローカル予選会で落選したと思い会場を後に。ところがプレーオフで最後の一枚の切符を争うことになったが同スコアのもう1人も会場を去っており決着はコイントスへ。運良く地区予選へと勝ち上がったガニェがローアマの快挙。ちなみにコイントスの相手は米ツアー3勝クリス・ディマルコの息子だった。

  一方決勝には残れなかったがもっとも注目されたのがNFLの現役審判ギャレット・ランク。カナダ出身の30歳は少年時代からゴルフとアイスホッケーの“二刀流"で鳴らした人物。学生時代はゴルフでナショナルチームにも選ばれたが11年睾丸にガンを発症しプロを断念。それでも「スポーツに関わっていたい」とNFLの審判になった。いまではゴルフは趣味だが全米オープン出場の機会を得て「夢が叶った」と大興奮。「来年も必ずここに帰ってくる」というアマチュアたちの飽くなき挑戦に拍手!

 

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