今回の全米オープンで、フィル・ミケルソンが動いているボールを故意に打ち2打罰を受けたが、失格にはならなかったことで大論争に。しかし、ゴルフの歴史を振り返れば、失格はざらにある。
古くは球聖ボビー・ジョーンズ。当時のUSGA会長ジョージ・ウォーカー(ジョージ・W・ブッシュの曽祖父)は「君が癇癪をコントロールできない限り、2度とUSGAのイベントではプレーさせない」と語っていたほどのエピソードがあるのだ。まだ10代ではあったが、ジョーンズは全米アマでクラブを投げて、女性の足を傷つけた。さらに、1921年の全英オープンでは、バンカーから脱出に4打を要し、その場でスコアカードを破り捨てて、ボールをピックアップして試合放棄したこともある。
ジョン・デーリーにいたっては、93年のケンパーオープンで、スコアカードをサインもせずにスコアテントに投げ入れ、翌94年のカパルアではサインも行わずコースを去ったことも。03年にはサンアントニオで、動いているボールを打って失格。オーストラリアオープンでは大暴れで、08年には、観客のカメラを取り上げて木に投げつけ、11年には池に7つ打ち込んで、そのままコースから立ち去っている。
ジョーンズやデーリーの"プッツン"とは話は異なるが、94年には、青木功が米シニアツアーでスコア誤記による失格処分を受けている。
タイガー・ウッズやジャック・ニクラスも、クラブを投げたり叩きつけたりすることは間々あった。2013年には、ホンダクラシックで、ローリー・マキロイが26ホール目で試合放棄し、失格している。
もっとも、同じ失格でも、92年のミリオンダラーチャレンジのニック・プライスや96年のキヤノンGHOでのグレッグ・ノーマンのように賞賛されるケースもある。プライスの場合、トップタイに立っていた試合で、動かせない障害物(広告看板)を動かしたことが、スコアテントで発覚。オフィシャルがスコアの書き直しを勧めたが、拒否して失格。ノーマンはプロトタイプのボールを使用し、認定球であったが、ネームが入っていないことを申告し、「ゴルフの尊厳」を守るために、初日のリーダーであったにもかかわらず、自ら失格となっている。
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