全米シニアオープンでデビッド・トムズが接戦を制しチャンピオンズツアー初優勝を飾った。01年の全米プロチャンピオンでツアー13勝のあのトムズがもうシニア? 時の流れは早いものだ……。
かつてツアーで“もっとも美しい妻"に選ばれビキニ姿を披露したこともあるソニア夫人と子どもたちに見守られ、混戦模様の終盤16番で4・5メートルのクラッチパットを沈めたトムズが頭ひとつ抜け出し、栄冠を引き寄せた。
「レギュラーツアーのころからずっとナショナルオープンに勝ちたいと思って努力してきた。でも忍耐が足りなかった。今回の勝利は忍耐の賜物」と感慨深げだったトムズ。
予選ラウンドではエースキャディがバッグを担げなくなり、急遽大学生の長男カーター君をキャディに起用。初日の序盤で3オーバーとエンジンがかからずイラつく父に「全米シニアなんだからボギーだって出るよ。そんなの当たり前」と励ましたのだとか。「どこかで聞いたことがあると思ったら、ずっと自分が息子に言い聞かせてきたセリフだった(笑)」とトムズ。
同組で回ったビジェイ・シンとデービス・ラブⅢには事前に「息子が邪魔したら遠慮なく叱ってほしい」と伝えたが「心配したけど素晴らしい仕事をしてくれた。私よりずっとポジティブだった」と目を細めたトムズは父親の顔に。
そんな家族のアシストもあり、11年のコロニアル以来7年ぶりの勝利の美酒に酔いしれた彼は「特別な優勝」という言葉を何度も繰り返した。
ところで今後シニア入りする選手に大物が多いのをご存知だろうか? 69年生まれの丸山茂樹やアーニー・エルス、レティーフ・グーセンが来年満50歳になる。その翌年にはフィル・ミケルソン、チェ・キョンジュらが続くことに。トムズも「シニアの層は厚くて手強い。百戦錬磨の選手がごろごろいる」と、“世界一厚いフィールドを警戒。これからオーバー50の世界がますます面白くなりそうだ。
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