ラフの上は50度!?東京五輪シミュレーション
 

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週刊ゴルフダイジェスト 2018/08/21-28号
2018/08/13更新

ラフの上は50度!?
東京五輪シミュレーション

 東京五輪でのゴルフの日程が決定したが、その時期に実際に会場である霞ヶ関CC東コースをラウンドしてみようという試みに小誌記者も参加した。

 2年後の五輪でもっとも懸念されているのが猛暑。しかも、ゴルフの開催地、霞ヶ関CCは全国的にも高温で有名な埼玉県熊谷市のすぐそばだ。

 五輪の日程は男女合わせて7月30日~8月8日。今回の試ラウンドは8月1日。実はこの企画、ゴルフコース設計者協会の肝いりで3年前から2日間で行われていて、最初の年には60人が参加し、初日に3人が熱中症で倒れ、搬送されている。次の日は4人が途中棄権。昨年は30度と気温が低く、落伍者はいなかったという。今年の参加者は72人。スタート前、持参した温度計で測ると40度、それをラフの芝生の上に置くとなんと44度に。湿度は60%。温度計がいちばん高い数字を示したのは午後のラウンド、11番ホール、午後1時30分での42度。バンカーの砂の上とラフの芝生では温度計限度の50度。しかし湿度は40%に減少。そのせいか、日陰に入ると風も吹いて、当方は無事“完走"できた。1ラウンドで水のペットボトル(500ミリリットル)4本、スポーツ飲料1本。そのほか、売店、昼食の時にも水分補給している。昼食時には下着やシャツなどすべて着替えた。

 今年、途中でプレーをやめたのは1人だけだったが、NR(スコアカード提出なし)が11人出たのは暑さで集中力を欠き、スコアを乱したからだろう。

 暑さといえば、また別の問題も。それはグリーンの速さ。グリーンの芝はもともと寒冷地のベント芝。高気温では水をたっぷり撒き、芝を冷やさなければ枯れてしまう。ところが水を撒くと、当然グリーンは柔らかくなり、速さは期待できなくなる。この日もスティンプメーターで8フィートと表示されていたが、実感としてはそれより遅い気がした。この暑さのなか、どれだけグリーンを速くできるかも課題のひとつだ。

 さらに問題なのは1万を超すギャラリーが予想されることだ。人いきれで気温はますます上昇するし、運営ボランティアの健康管理も大切だ。「そもそもこの時期に五輪をやるのが無茶。しかし決まった以上、カスミが、いや日本のゴルフが恥をかかないようにやるしかありません!」との今泉博総支配人の決意が悲壮に聞こえてくるが……。

  
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