いまやトランプ大統領の唯一のストロングポイント(?)ともいわれるゴルフ分野でもトラブル発生。約4000年の歳月が築き上げたというスコットランドの移動する砂丘が、トランプのゴルフコースによって破壊されつつあるという。
トランプ・インターナショナル・ゴルフリンクス・アバディーンがその舞台。2012年開場で、もともと計画されていた2つ目のコースやホテルなどを建設するために、先頃、開発の第2段階として約220億円の投資が発表された。
これに対して、ロンドンにある気候変動や環境問題の研究所のディレクター、ボブ・ワード氏が、スコットランド自然遺産局に情報公開を求めたところ「ゴルフコースの建設・造成が、砂丘の形態に影響を与え、法的に保護された『不安定で科学的に重要な場所』、205ヘクタールのうち、最大68ヘクタールの直接の喪失を招いた」などと書かれた文書が出てきたのだ。情報公開を請求されるまで、文書が秘密にされてきたことも問題だが、何より、「ゴルフコースの環境への影響を軽減する最大限の努力をする」としていたトランプ大統領の約束が反古にされ、さらに開発の段階ごとに認可の見直しをするという当初の話もあやふやになってしまっていることに対して、批判の声が上がっているのだ。
この土地に新たにもう一つのコースやホテルが建設されれば、イギリス最大とも言われる〝動く砂丘〟が、大打撃を受ける可能性も十分にある。弱腰のスコットランド政府に代わり、第2段階の開発をストップさせるには、ゴルファーによる不買運動、つまり、このコースでプレーしないことくらいしか手はない?
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