グリーンの読みはゴルフの技術の一つ。こうした考えのもと、USGAとR&Aが、来年からヤーデージブック(グリーンリーディングブック)の規制を行うと発表したことは弊誌でも既報だが、その内容が明らかになった。
プロやトップアマチュアが携行するヤーデージブックの内容は年々詳しくなっていた。とくにグリーンに関しては、フロントエッジからの距離だけでなく、マウンドや傾斜(勾配率0・1%単位)まで記載されているものもある。しかし、パットしたボールがどこでどのくらい切れるか?スライスラインか、フックラインか、それをヤーデージブックで判断するのは、ゴルフの伝統に反するというのが今回の見解だ。「コースの設計家がグリーンに持ち込む設計の妙は、ゴルフの面白みの一部。こうしたヤーデージブックは、ゴルフの面白みや挑戦を損ない、プレーヤーに必要な技術をも失わせることになる」と語るのは、USGAのルール部門のシニアディレクター、トーマス・ペーゲル氏。
ただ、ヤーデージブックそのものが禁止されるわけではなく、記載内容が制限される。それがややこしく、禁じられる予定なのは、傾斜が4%(2・29度)以下の部分。傾斜が4%以上であれば、見た目でも判断できるとし、4%以下の部分の記載を禁じようということなのだ(USGAでは、芝目は傾斜に沿うもので、傾斜こそが重要という見解)。同時に、ヤーデージブックをポケットに入るようにサイズを規制。最大で480分の1にするという。アメリカではグリーンを読むスマホのアプリまで売られている現在、プレーヤーがどんなヤーデージブックを使っているかをどうチェックするのか? 見つかった場合は競技失格になるの?
どうもスッキリしないルール変更だ。それならいっそ、グリーン上ではヤーデージブックを見ることを禁じてしまう、という手もありそうだが……。
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