アジア勢が席巻する米女子ツアーの現状を危惧するジェシカ・コルダがアメリカのジュニア育成システムの改善を訴えた。
アメリカのゴルフ環境は世界でもっとも恵まれているといっても過言ではない。ところがここ10数年、ツアーでは韓国、タイ、中国、台湾、日本などアジア勢が躍進。8月14日現在、世界ランキングトップ10の4人が韓国、中国が1人でアメリカは5位のレクシー・トンプソンと9位のコルダだけである。
その理由をコルダはアジアでの「ジュニア育成プログラムが充実していることがある」と指摘する。「アジア各国にはナショナルチームがあって女子も男子も世界で戦うチャンスがあるし、そのなかで適切な指導を受けている。一方でアメリカは将来プロになるためでなく大学に入るためにAJGA(アメリカジュニアゴルフ協会)の試合に出ています」
韓国ではプロ入りしても2年間は韓国ツアーで経験を積み、即米ツアー挑戦は禁じられている。「韓国で何勝も、なかには10勝してからアメリカに来る選手もいます」(コルダ)。ナショナルチームで腕を磨きプロになるという確固たる目的を胸に技術を磨くアジア勢に対し、アメリカではジュニアの大会は大学の推薦を受けるため、というのがもっぱら。その先(卒業後)に下部ツアーがあるが、目的意識がはっきりしないから「結果が出ない」とコルダは言う。
「テニス協会はジュニアの強化合宿を積極的に行っています。そういうシステムをゴルフも作らないとアジア勢の優位はこれからも続くでしょう」
以前有名コーチ、G・ギルクリストがこんなことを言っていた。「アメリカの10代はゴルフのほかにたくさん興味を寄せる対象がある。でもアジア勢はゴルフと決めたら一筋。興味が分散しないから強いのです」
今季米国勢が勝ったのは全英リコー女子オープンまでの22試合で4回のみ。コルダの切実な訴えは協会を動かすのか?
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