見ごたえのある熱戦が展開された全米プロ。その開幕前日の8日、米メディアの「ゴルフウィーク」が「ハッカーがPGA(全米プロの主催者=全米プロゴルフ協会)のサーバーを攻撃。身代金目的か」との見出しで、同協会のコンピュータシステムがハッカーによってウイルス感染させられたと伝えた。
それによれば、7日の朝、協会のスタッフがシステムを稼働させたところ、「このネットワークに侵入し、すべてのファイルを強力なアルゴリズムで暗号化した。暗号化を解こうとすれば、すべての製作物は消失。特定のファイルは修復も不可能になるだろう」といった内容の脅迫文が開いたという。
脅迫文には続けて、「われわれは暗号化を解く特別な解読ソフトを持っている」として、その証拠として暗号化を解いたファイルを協会に送ることが提案されていた。
また、仮想通貨ビットコインのウォレット(保管場所)番号の記載もあったが、「身代金」の金額の提示はなかったそうだ。
暗号化され開けなくなったファイルには、今後の全米プロや来月開催のライダーカップの製作物(大会ロゴや広報・宣伝のバナーなど)が含まれており、それは簡単に作り直せるものではない。協会は“苦渋の選択"を迫られているとみられるが、現在のところ、協会からこの件に関する公式な発言は一切ない。
ただし、先の記事には協会関係者が匿名を条件に、「全米ゴルフ協会はいかなる脅迫にも応じるつもりはない」と語っており、別のメディアは、協会はこの問題の解決のために、セキュリティーの専門家チームを雇ったと伝えている。
幸い先の全米プロでは、この件によるトラブルはみられなかった。しかし、来月のライダーカップは……? そして、ハッカーの次なるアクションはあるのか……? 今後の展開が注目される。
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