ニトリレディス3日目、三ヶ島かなに「1打罰」がついたのをご存知の向きもいるだろうが、実は非常に間違いやすいケースなので考察してみよう。
痛恨!
同大会の3日目は倒木するほどの強風が吹き荒れた。そのせいか、11番ホールで三ヶ島がグリーン上でボールをマークした瞬間、風によってボールが半個分動いた。三ヶ島は即座にこのボールを拾い上げて、元の位置に戻した。この時点で三ヶ島は競技委員を呼んでいる。駆けつけた競技委員はその状況を詳しく聞くことなく無罰の裁定。
現行のルールでは「偶然に動かされた場合はリプレースしなければならない」(規則20-1)。つまりグリーン上でマークの際に誤って動かした場合には無罰で元に戻すのが正しいため、競技委員はこの状況だと思っていたという。
しかし「風で動かされた場合は無罰でそのまま打たなければならない」(裁定集18-2-7)。三ヶ島はこのケースだったのだ。風で動いたので、そのまま打たなければならなかったところを、三ヶ島は拾い上げてリプレースしたわけである。
件(くだん)の競技委員は、11番ホールで裁定はしたが、正しかったかどうか自信がなかったのだろう。ホールアウト後、三ヶ島に改めて事情を聞き、「風で動いた」との状況を確認。結果、インプレーのボールを拾い上げた1ペナルティは課されたものの、誤所からのプレーは競技委員の不手際により免除されたという次第。
マークする時に指でうっかりボールをはじいたら、罰なしでリプレース、風で動いたらそのまま打つ。確かにややっこしい。
「この『ボールが動いた問題』は、元々が難解で、判断に迷うルール。過去何回も改訂されてきたいわくつきのルールです」(ルール研究家・小山混氏)
ちなみに来年1月からの新ルールでは、風で動いても、人為的に動いても罰なしでリプレース。これで少しはわかりやすくなるかも。
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