伸びすぎる飛距離を巡って、考察プログラムがついに始動した。
R&AとUSGA(全米ゴルフ協会)が行う「ディスタンス・インサイト・プロジェクト」がそれだ。このほど専用サイトが立ち上がり、飛距離に関する意識調査が始まった。現在世界中で5000万人以上がゴルフに携わっているが、そのすべての人の飛距離に対しての意見を求めている。
"飛びすぎ問題"はいまに始まったことではない。USGAのレフェリーである川田太三氏によれば「R&AもUSGAも20年前から両者合同ルール委員会で俎上に上げていた」とのこと。アマチュアの世界では飛ぶことは喜ばしいだろうが、プロトーナメントの世界では大問題。4大メジャー競技の舞台がこのままでは"使えなくなる"との危機感が迫ってきたからだ。米ツアー選手の平均飛距離が296ヤード、ダスティン・ジョンソンら平均300ヤード以上飛ばす選手は60人を超え、世界中の有名コースがいくら距離を伸ばす改造を行っても追いつかなくなっている。
飛距離アップの理由は用具(クラブ、ボール)の進化だけでなく、選手の体格が良くなったこと、トレーニングによる筋力向上もあるだろう。しかし、両団体とも、ゴルフをもっと楽しむためにメーカーの用具進化を奨励してきた側面もあり、正面を切って反対できない弱みもあった。
プロジェクトの意見集計は来年というが、予想してみると……。「あくまで私見ですが、ボールに規制を加えるほうが可能性として高いと思います。具体的にはディンプルを深くする。ヘッドスピードが速いと吹き上がり、一般ゴルファーにとっては福音になります。ボールを個人で試合に持ち込むのは球技のなかでゴルフのみですが、ディンプルを深くした"公式球"を決め、メジャー大会ごとに振り分けられるのでは?」(前出・川田氏)
日本語でもサイトを通じて意見を求めているが、どう帰着するだろうか?
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