あなたを忘れない。ライダー杯の黄色いリボン
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2018/10/16号
2018/10/26更新

あなたを忘れない。
ライダー杯の黄色いリボン

  ライダーカップで欧・米チームの選手たちが黄色いリボンをつけてプレーしていたのをご覧になった方も多いだろう。リボンの意味は……。

Celiaと名の入った黄色いリボン

 スペイン出身の大学生ゴルファー、セリア・バーキン・アロザメーナさんが殺害されるという衝撃のニュースが飛び込んできたのが去る9月17日。在学中だったアイオワ州立大学内のコースをひとりでプレーしていたとき、22歳のホームレスの男に襲われ尊い命が奪われた。

 当日フェアウェイにキャディバッグが残されていたため、不審に思ったゴルファーが警察に通報。捜索の結果、コース内のクリークの脇でアロザメーナさんの遺体が発見された。首などに複数の刺し傷があったという。

 この一報にいち早く反応したのは同郷のセルヒオ・ガルシア。「彼女の身に起こったことを思うと心が張り裂けそうだ。キミと会えてよかった。本当に特別な人だった」と生前の交流をツイッターで打ち明け哀悼の意を表した。

 ジュニア時代から将来を嘱望されていたアロザメーナさんは、大学でも数々のタイトルを獲得。アイオワ州立大のエースとして活躍した。卒業を機に今秋米女子ツアーのQスクールを受け、夢であるプロへの道を歩むはずだったのだが……。

 志半ばで散った尊い命に「ゴルフファミリーとして黙っていられない」とチームの総意を受けキャプテン、トーマス・ビヨーンが立ち上がる。「彼女を思い、われわれは大会中黄色いリボンをつけて戦うことにした。生前の彼女は素晴らしい人物だったと聞いている。(同郷の)セルヒオもジョン(ラーム)も、いてもたってもいられない思いなんだ」(ビヨーン)

 これに米チームも賛同。セリアと名前の入った黄色いリボンをつけての決戦と相成った。そこにはアロザメーナさんの思い出をゴルフ界全体で分かち合いたいという選手たちの強い意志がこめられた。

 ゴルフ場での殺人事件。二度とこのような悲劇が起こらないよう祈るばかりだ。

  
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