往年の名プレーヤー、ボブ・ツエーの息子ケビンが開幕戦のセーフウェイオープンでツアー初優勝を飾った。偉大な父の呪縛から解放された30歳は思わず涙、涙……。
「きっと父はテレビの前で泣いていると思う。長い道のりだったけれど頑張ってきて良かった」と、安堵の表情を浮かべたケビン。
ツエー家は親子4代続く生粋のゴルフ一家。なかでも父は86年の全米プロを含む8勝を挙げたトッププロで、ケビンはもの心ついたころから「お父さんはすごかった」という話を耳にタコができるほど聞かされてきた。「最近は『まだ僕は生まれてなかったけど、すごかったらしいですね』と返してます」とのことだが、ケビンが生まれたのは全米プロVの2年後。
「父には歯が立たなかった。途中まで僕がリードしていても“上がり2ホール連続バーディで逆転するぞ"と父が言うと、本当にその通りになる。家に帰って母親に“パパがまたやってくれたよ"と涙目で訴えたものだよ(苦笑)」
それでも16歳のとき父を負かすとジュニアの全国大会で名を馳せるようになり、父から「息子よ、お前には才能がある」と言われ続けてきた。だが当の本人は「今回勝つまで父の言葉を信じていなかった」と半信半疑だった。
若手が台頭するツアーで30歳はすでに中堅。91試合目での初優勝は決して早くはない。だが優勝経験豊富なB・スネデカー、R・ムーアとの三つ巴のプレーオフで3ホール連続バーディを奪った勝負強さは父譲り。“ツエー(強い)"ツエーの今後に期待。
ちなみにPGAツアーで親子優勝を達成したのは史上10組目。直近ではマスターズ覇者のクレイグ・スタドラーの息子ケビンが14年のフェニックスオープンで優勝。またツアー9勝のジェイ・ハースの息子ビルはツアー6勝の実績がある。
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