今年の関西女子ミッドアマを制したのは田中綾香さん(26)。彼女、実は超多忙の医師であり、初ラウンドは大学2年生のときという“驚異の経歴"の持ち主なのだ。
田中さんは同大会には初出場。予選から本大会を通し首位という完全優勝を果たした。
現在大阪府立急性期・総合病院に籍を置き、救急医療に携わる医師である。職務は多忙を極め、本人は「練習時間がとれないのが悩み。ぶっつけ本番で臨むしかない……」と、決意の出場だった。
田中さんがゴルフを始めたのは父・満さんの影響という。綾香さんが幼稚園の頃から、自身の練習につき合わせ、見よう見まねでクラブを振るくらいのことはあったという。しかし、綾香さんが実際ラウンドしたのは大阪大学医学部2年生のときが初めてだという。
「娘は幼児の頃、ひざをけがして、高校まではスポーツ禁止。本人はバスケットなど団体競技をやりたかったようで、大学でこそ何かをと思っていたようですが、女子学生が少なくてチームが成立せず、やむなく個人競技のゴルフをやり始めたようです」(満さん)
大学2年が初ラウンドという田中さんはよほど才があったのだろう。目標とした西日本医大生体育大会を4連覇。加茂CC(京都府)に入会し、H C は実質0(定期的にスコアカードが出せないため、ボードには記載されていない)。同CCのクラブチャンピオン大会には大学生は出場できない規定で、ならばと同CC女子選手権に出場、2連覇した。
レッスンは六甲国際CCにあった江連忠のスクールに不定期に通っていて、現在も江連の"弟子"に時間があるときに見てもらう程度。身長、160㎝、ドライバー飛距離210~220ヤード。数字には、それほどの驚きはないが、2点だけ、同じ医師である満さん(HCは最高で6)が驚く長所があるという。「頭と体を結ぶ神経が"切れて"いるんです。プレッシャーを感じて、試合前には腹が痛くなったりするのですが、それがスウィングにはまったく影響しません。頭脳で感じる重圧が体で振るショットにはまったく影響されないということです。不思議です」(同)。もう1つの長所は技術的なことで、インパクト時のサイドスピンがほとんどゼロということ。スウィング計測器で測ると、縦スピンはかかってもスライス・フックスピンはかからず、ほとんど曲がらないというのだ。フェアウェイキープ率は90%というから驚く。「時間がなくて……」を常套句とするゴルファーの皆さん、こんな方もいるんです!
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