1個なんと36万円もするアイアンヘッドが来月発売になる。"トンデモナイ"価格設定のようにも思えるが、実はその背景には、技術力のある中小企業数社が手を組み、互いのプライドをかけてひとつの製品を作り上げるという、「下町ロケット」さながらのドラマがあった。
『MUQU(ムク)』を製造販売するMS製作所は、愛知県清須市にある、主に車の金型を製造している会社。そこが12月に金型成形の技術の粋を集めてつくった、フルミルドのアイアンヘッドを販売する。
近年、金型業界は20年前と比べて業者が半減。しかし、同社は「斜陽産業だからこそビジネスチャンスがある」と考え、初のBtoC商品(法人向けではない、消費者向け商品)にチャレンジすることに。それが、完全フルミルドのアイアンヘッド『MUQU』の製作だった。
もともと、製造業が盛んな中部地方には、ほかにも技術力を持った下請け会社が多く存在する。そこに着目した同社は、ヘッドの装飾や梱包材などを専門企業に依頼。最終的に11社の中小企業がタッグを組んだ、地方創生のためのプロジェクト「KASANECHUBU」を立ち上げる運びとなった。その足がかりとして誕生したのが同商品である。
肝心のデザインは、女子ツアーでも一時人気を博した地クラブブランド『ZONE』を展開する鈴木育生氏が監修している。
5番~PWの6個セットで216万円と超高価格だが、完全フルミルド製法ということで、納期は2~3カ月を要する。オートクチュールに近いイメージで、素材も「S25C」「S50C」「SUS303」から選択可能。1個から購入可能で、12 月から松坂屋名古屋店のゴルフ用品売場で受注を開始。「下町ロケット」のように起死回生となるか!?
今後の展開に期待だ。
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