歴代USGA(全米ゴルフ協会)会長のなかでも、庶民派、親日派で知られたジェームス(ジム)・ハンド氏が亡くなった。
ハンド氏は1917年生まれ。83年~84年にUSGA会長を務めた。同氏は8歳でゴルフを始め、地元ニューヨーク州、ノースフォークCCで父親のバッグをかついで、腕を磨き16歳でクラブチャンピオンに。「いいことはすべてキャディから得られる」が信条だったという。
高校卒業後、カトリックの司祭になるため、カテドラルカレッジで勉強。誓約を立てる前は、軍役、広報職、銀行勤務の経験も。そこからUSGAに入り、競技委員などを歴任後、会長まで上りつめた。
ゴルフの腕前も確かで80年には予選から全米シニアオープンにも出場している。「日本などでは協会といえば、名誉職的意味合いが強いですが、USGAではゴルフが好きかどうかが大切。ゴルフがよくわかっているから、施策も的確。タイガーが登場する前の会長として組織の強化を図った業績が光ります」(テレビ解説者・タケ小山氏)
USGAで02年から競技委員を務める川田太三氏は「総会の時など、会長も交えてのゴルフ話はみんな少年のような目をして語ります。ともかくゴルフが大好きだという点では共通しています」
川田氏がハンド氏に声をかけられたのは84年、ロイヤル香港GCで行われ、団長として参加した世界アマ。この時、日本チームの優勝を深くねぎらってくれたのがハンド氏だった。日本に親愛の情をもって接してくれたという。
「その後、パインバレーGCでプレーする機会を与えてくれたのも彼。その10年後、会員になれたのもハンド氏あってのことですね」(前出・川田氏)
2018年、川田氏がUSGAからボランティア顕彰の「ジョー・ダイ賞」をアジア初受賞した折には、96歳の高齢ながら、心のこもったメッセージを送ってくれたそうだ。
「歴代で5指に入る名会長だった」といわれるハンド氏、101歳の天寿を全うした。
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