ゴルフ界のご意見番ゲーリー・プレーヤーが「これまで出会った選手のなかでナンバー1」を語った。
プロ生活65年、メジャー9勝のグランドスラマーは、いまもさまざまメディアで積極的に発信しているが、今回は歴代ナンバー1について言及。「私のなかでナンバー1、つまり最高のゴルファーはやはりベン・ホーガン」と語ったのだ。タイガーでもニクラスでもなくホーガンを挙げたのにはワケがある。プレーヤーがいうナンバー1の定義は成績や実績ではない。いかにゴルフスウィングを極めたか、がポイントなのだ。
「ホーガンと比べれば、ときのナンバー1は足元にも及ばない。彼はスウィングの求道者。キャリアの途中でフェードを極めるべくスウィング改造を行った。血のにじむような努力ですべてをガラリと変えたんだ。でもそれが完成したころには(試合に出るには)年をとりすぎていた。凄い人だ」
以前小誌のインタビューでもプレーヤーはホーガンとの出会いについて「私は当時20歳そこそこの若造だった。ホーガンのホームコースをアポなしで訪ねたけど相手にもしてもらえなかった。挨拶しても目さえ合わせてくれなかった」そうで、プレーヤー自身がその様子を日本語で「オハヨーゴザイマスとオジギをしても(ホーガンは)オハヨーないです」と再現してくれた。それでもめげずに何日も通うとやがてホーガンは金言をくれた。「ゴルフのすべてはダート(土)のなかにある」。土を打ち、地面を削り、気の遠くなるような時間、球を打ち続けて初めてスウィングのなんたるかを知るとレジェンドは身をもって後輩に示したのだ。83歳になったプレーヤーがいまだに練習の虫で、毎日クラブを握るのはホーガンの影響。
「タイガーもニクラスもうまい。でもスウィングは完璧じゃない。ホーガンはすべてが完璧だった」。ナンバー1には深い意味がある。
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