新ルール施行以降、ツアーではドロップの高さやピンを立てたままのパットの問題が持ち上がったが、それ以外の新規則が取りざたされることはほとんどなかった。ところが、先々週……。
欧州ツアーのドバイデザートクラシック最終日のこと。優勝したデシャンボーとともに最終組でラウンドするリー・ハオトンは、最終ホールで1mほどの最後のパットを沈めようとした。ところが、スタンスをとり始めたとき、プレーの後方線上にキャディーのマイク・バロウが立って、まだラインを凝視していた。
新規則では、規則10・2b(4)「キャディーがプレーヤーの後方に立つことの制限」により、「プレーヤーがストロークのためにスタンスをとり始めてからそのストロークを行うまでは、キャディーはプレーの線の球の後方延長線上やその近くに故意に立ってはならない」と規制されている。
この規則はグリーン上でも適用され、違反は2罰打だ(ただしグリーン上では、プレーヤーがスタンスを一旦外せば、罰はない)。
この場面はテレビカメラに撮られており、競技委員が確認し、違反と裁定。しかし、これに対し選手・関係者から、ハオトンにはラインを見てもらう意図はまったくなく「バカげた裁定」と非難の声が多数上がった。
すると、欧州ツアーのキース・ペリーCEOも「レフェリーは規則通り、正しい裁定を下した。しかし、このようなルーリングの際に、レフェリーの裁量が認められないのは間違っており、すぐに対処されるべき」と発言する。
一方で、R&Aのトップのマーティン・スランバーズは「明確で一貫したものにするために、ルーリングには裁量の余地はない」。つまり、選手の意図に関係なく、規則に反した行為は罰せられる、とのシビアな声明を発表。ただし、「新しい規則が及ぼす影響についてはモニターし続けていく」と付け加え、改訂の可能性もにおわせている。
新ルールについては、今後もツアーからさまざまな疑問点が提示されるに違いない。
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