どうなる?ブレグジット。全英オープンにも影響が
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2019/03/26号
2019/03/22更新

どうなる?ブレグジット。
全英オープンにも影響が

 イギリスのEU離脱問題(ブレグジット)が今年の全英オープンに影響を与えている。合意なしの離脱か離脱の延期か、この雑誌が出るころには、何らかの決定が下されているかもしれないが、いずれにしても、R&Aが「非常に憂慮している」ことには変わりない。

 北アイルランドのロイヤルポートラッシュで開催される今年の全英オープン。大きな問題となっているのが、アイルランドとの国境問題だ。

 R&Aのマーチン・スランバースCEOは「私たちは2000を超えるコンテナをアイルランド海を越えて送り、4月2日から(全英オープンのための施設などを)作り始める予定だ。問題は、これらの荷物をアイルランドのダブリン経由で送るスケジュールを見直すべきか、あるいは北アイルランドのベルファスト経由で送るべきか、それとも今すぐイギリスから送ってしまうのが良いのかわからないことだ」と語った。

 少し補足すると、イギリスもEUも基本的には、英領の北アイルランドとEUに残るアイルランドとの国境を自由に行き来できる開かれたものにしておきたいと考えている。ここに国境を作り、検問などが行われるようになれば、21年前に和平が成立したアイルランド紛争が再燃しかねないからだ。となると、実質的な国境はアイルランド海ということになり、イギリスから英領北アイルランドに送る荷物は、EUの検閲を受けなければならなくなる。逆にこうした検閲や関税をなくせば、完全なEU離脱とはいえなくなるうえ、抜け道を作ることになる。

 「ルールや法律があれば対処できる。後知恵になってしまうが、ブレグジットの合意が得られない年にポートラッシュで全英オープンを開催しようとは思わなかっただろう」(スランバースCEO)と、やはり困惑を隠せない。

 それでも、スランバースCEOは「これは私たちの問題で、全英オープンは予定通り開催されるし、ゴルフファンが気づくこともないだろう」とも。ただ、すでに完売した全英オープンのチケット購入者の70%はアイルランド人という。北アイルランドとの国境がどうなるか? ファンにとってまったく影響がないわけではなそうだ。

  
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