今回のルール改訂にはルールの簡素化とともにプレー時間短縮の狙いがあったことは弊誌でもたびたびお伝えしているが、その願いを無にするスロープレーに対し、米ツアーでは最近厳しい目が向けられるようになった。
なかなか減らないスロープレーについて、先月、アダム・スコットは「先日、PGAツアーの競技部門のチーフに進言したんだ。スピードアップにつながるなら自分は喜んで犠牲になる。(スロープレーの)ペナルティを受けるよ。ツアーが真剣に取り組んでいることを示すには、実際に罰を課すしか手はないんだ」
ところが、皮肉なことに、直後のジェネシスオープンで最終日、スコットと同組でプレーし、優勝したJ・B・ホームズがスロープレーで非難されたのは、弊誌でも既報のとおり。
米ツアーでスロープレーに対し、ペナルティ(1打罰)が下されたのは、通常のトーナメントに限れば95年のホンダクラシックが最後。米メディアには、24年ぶりの執行が近づいているのかも、という記事が見られるようになった。
実際、先々週のホンダクラシックでは第1ラウンドでシャール・シュワーツェルの組が競技委員からスロープレーの時間計測の通告を受けるシーンが見られた。
以降は規則が定める40秒以内にストロークを行わなければならない。
ところが、その通告にシュワーツェルが激高したのだ。彼は、もともとプレーの遅い選手ではなく、性格は至って穏やか。よっぽど納得がいかなかったのだろう。
というのも、同じ組にプレーが遅いことで有名なベン・クレーンがいたからだ。シュワーツェルにしてみれば、「なんでオレも計測されるんだ。この組が遅いのは、ヤツのせいだろ」という思いだったのだろう。スロープレーに対するツアーの厳しい姿勢の“とばっちり”か?
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