3分間球探し!選手も時計必携かも
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2019/04/02号
2019/04/03更新

3分間球探し!
選手も時計必携かも

 国内女子ツアー開幕戦、ダイキンオーキッドの2日目で新ルールを適用され、早くもツアー初の失格者が出てしまった。

 11番パー5の2打目を右ラフに入れた濱田茉優は球を探したが見つからず、元の場所に戻ろうとしたときにラフで見つけた。しかし、その時にはすでに新ルールにおける「捜索時間は3分」(規則18・2a)が経過していた。ゆえに、その球は「紛失球」扱いとなり、1打罰を加えて元の位置からプレーを再開しなければならなかった。

 しかし、濱田はその「紛失球」をストロークしてしまったため「誤球」を打ったとして2打罰、また「次のホールでストロークを行う前までに(最終ホールの場合、スコア提出前)誤りを訂正しなければ失格」(規則6・3c)という事態になったわけだ。この失格は8日(金)の裁定だったが、9日(土)になると、これが「誤所からのプレーの重大な違反」と追加訂正された。

 濱田に再聴取したところ、次のような新事実が発覚した。濱田は球が見つかったとき、そのままプレーしたのではなく、地面にくい込んでいた球を拾い上げ、ドロップして打っていた。地面にくい込んでいる球は、旧ルールではフェアウェイのみ(芝が短く刈られた場所)しか救済できなかったが、新ルールでは「ジェネラルエリア(旧:スルーザグリーン)に拡大。つまりラフでも地面にくい込んだ球を救済できるようになった(規則16・3b)。

 しかし今回のケースでは、濱田は球をドロップした時点で「紛失球」をインプレーにしたことになり、「誤所」からプレーをし続けたことになる。この点をLPGAは看過できないとして「重大な違反」との追加処分を行ったわけだ。

 濱田は「3分以上探していけないことは知っていました。自分は時間を計っていなかったので、ボールが見つかったときにプレーできるなと思ってしまい、競技委員も呼んでいませんでした」。

 関東ゴルフ連盟競技委員の武居振一氏は「問題は『3分間』を濱田がどう理解していたかですね。新ルールでは性善説を全面に押し出しているので、濱田本人が『探し始めて3分たったので戻ります』とアピールすればよかった」と話す。

 しかしながら、時計をしていない選手も多いので、これからも“3分ルール"で混乱が起きそうな気が……。

  
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