ビッグタイトルはちょいと地味なナイスガイ、キスナーに
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2019/04/23号
2019/04/26更新

ビッグタイトルは
ちょいと地味なナイスガイ、キスナーに

 世界ランク上位64人が出場したWGCデル・マッチプレー。昨年の決勝戦でバッバ・ワトソンに7&6の大敗を喫したケビン・キスナーがリベンジに成功しWGC制覇を果たした。

 ツアー3勝目だが、キスナーと聞いて顔と名前が一致する人は少ないかもしれない。ノースカロライナ出身の35歳は、見ようによってはイケメン(?)なのだが、なにしろ地味。今回も48シードと、大会前はノーマークの存在だった。しかし、準決勝でマッチプレーにめっぽう強いフランチェスコ・モリナリを破ると、決勝戦では今季絶好調のマット・クーチャーを3&2で退け、ビッグタイトルを獲得。「5日間7ラウンド、高いレベルをキープし続けるのは体力的にもすごくきつかった」というキスナーだが、大会に出場していたベテランのリー・ウェストウッドが「キスナーはマッチプレー向きの選手だ」とツイッターに投稿したのを見て「うれしかった」と相好を崩した。

 実はキスナー、昨年のマッチプレーで準優勝したとき、長年コンビを組むキャディのデューン・ブックに特大のRV車をプレゼントしている。キスナーが低迷していたころ「自分のバッグを担いでいたら稼げない。誰かもっと稼げる選手のところにいってくれ」というキスナーにブックは「とんでもない。オレはお前とメジャーを獲るんだ」とキスナーのもとを離れなかった。そして今回メジャー級のフィールドで挙げたWGCの勝利を2人は抱き合って喜び、キスナーは「ついにワールドゴルフチャンピオンだよ」と感慨深げにつぶやいた。

 ちなみに決勝で対戦したのは、マヤコバクラシックでローカルキャディへのギャラが少なかったことからスキャンダルになったクーチャーだったのだから皮肉。クーチャーは、キャディに追加でギャラを支払い一応の“決着は見たのだがキャディに手厚いキスナーとキャディ問題が尾を引くクーチャー。ゴルフの神様は前者に微笑んだ。

  
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