タイガー・ウッズのマスターズ優勝には、バスケットのマイケル・ジョーダンや、テニスのラファエル・ナダルといったスポーツ界のスーパースターから多くの称賛の声が挙がった。サッカーのウェイン・ルーニーもそのひとりだが、彼の場合は特別だった。
元イングランド代表のストライカー、ルーニーはゴルフが大好きで、数年前には同じナイキ契約で親友のローリー・マキロイとCMで共演もしている。
現在はアメリカ、ワシントンのDCユナイテッドに所属。タイガーのメジャー制覇の可能性が高まった土曜日、コロラドでのゲーム後、チームメイト2人と計3人で深夜便に乗って、タイガーの応援にオーガスタに飛ぶことにしたルーニー。ノースカロライナでオーガスタ行きの便に乗り換えれば、最終組のスタートに間に合う予定だった。チケットは親友のマキロイに依頼済み。ところが、予定の便が遅延。ノースカロライナでの乗り換え便に間に合わない。さらに運の悪いことに、悪天候の影響で、翌日のマスターズのスタートが5時間ほども早まった。それでも、ルーニーはタイガーの応援を諦めなかった。早朝5時のノースカロライナ行きの便に乗り、そこから陸路オーガスタへ。
「そのドライブはまるで永遠に続くかのようだった」(ルーニー)。実際は2時間ほどで、何とかゲームの大詰めに間に合った。
コース内は、少しでもタイガーを間近に見ようと先を急ぐパトロンたちでいっぱいだったが、その渦の中でルーニーたちは4~5ホール、応援することができたという。
「僕たちのこの24時間のアップ&ダウンはとても尋常ではなかった」とチームメイトが振り返ると、ルーニーは「それでも、タイガーの勝利を見る価値は十分にあった」と満足そうに言葉を結んでいる。
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