ゴルフ場で人が倒れ、緊急を要するケースがまれにあるが、そんな際、ドクターヘリが出動して実績をあげている"ゴルフ場銀座"がある。
兵庫県三木市には日本を代表する名コース、廣野GCをはじめ25のゴルフ場がひしめく。それらのゴルフ場を束ねるのが三木市ゴルフ協会だ。その同協会が、三木市消防本部とドクターヘリ運用の覚書を今年度も締結した。拠点とする病院は加古川治療センター(加古川市)、製鉄記念広畑病院(姫路市)の2カ所で、緊急時、医師や看護師がヘリに搭乗して、救命医療にあたる。
運用は13年からで、これまで14年3件、15年1件、16年3件、17年4件、そして18年は6件のヘリ出動要請があったという。
ヘリ要請は、コースから「ヘリをお願いします」と要請するのではもちろんなく、まず119番し、消防署の聞き取りにより、緊急性の高いケースと判断された場合、ヘリの出番となる。緊急性が高いケースとしては、ラウンド中のプレーヤーが重傷や意識不明に陥る事案が多いとしている。
ゴルフ場は広く、ヘリが降りられる空間も多い。救急車が入っていくより、ヘリで飛んでいくのが早いのはもちろんで、1分1秒を争うようなケースでは大いなるメリットといえる。
また同協会は日本では珍しい形態を有していることも付記しておこう。同協会は市と教育委員会、商工会議所、観光協会と合同で設立し、事務局も市役所内にある。市民のためのゴルフ大会、ジュニア育成塾・教室も盛ん。男子ツアー1試合、女子ツアー3試合、市内のコースでトーナメントも開催される、日本有数のゴルフどころだ。
このゴルフどころのさまざまな機関がつながり、一体となってゴルフ振興を図っているわけだ。ドクターヘリの件もその一環といえるだろう。
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