全米オープンが間近に迫るなか、選手たちのUSGAに対する不信感は、これまでにないほど高まっているという。
グリーンのスピードが14フィートもあった2016年のオークモントでの全米オープンでは、優勝したダスティン・ジョンソン(DJ)にラウンド中、ペナルティの可能性を伝えたとして問題になったことは記憶に新しい。そこから、選手とUSGAの間でコースセッティングやルール裁定に対して見解の隔たりが拡大。米ゴルフ誌が16人のメジャー勝者を含む57人のツアー関係者にインタビューしたところ、やはり不満の声が続出したという。
ある全米オープンの勝者は、USGAには好意を持っているとしながら「選手とUSGAのギャップはかつてないほど広がっている。そこには、選手への尊敬の念が全くない。この事態はUSGA自らが招いたこと」と語っている。
またある複数のメジャーに勝っている選手が「競技の定義はなんなんだろう? 彼らは無理だとわかっていることを毎年毎年繰り返している」と語れば、別のメジャー勝者は「彼らはビジネス志向で、金儲けするため、USGAのブランド価値を高めようとしているだけのように見える」と話す。また、とある有名コーチは「学生の団体が、プロのサッカーの試合を運営しているようなもの」と切り捨てた。
お金の問題もある。「もともとはNBCの放映権料の25%が賞金総額だった。それが今は10%しか賞金になっていない。2016年のオークモントの後、選手のミーティングで、この問題とDJの罰打の問題で1年間のボイコットが話し合われた」とある選手が語れば「10~15人の選手がボイコットの意志を表明した。その中にはDJやマキロイもいた」と別のツアー複数勝者は語っている。
昨年のシネコッククヒルズの同大会でフィル・ミケルソンが、グリーンから転がり落ちそうな動いているボールを打ったのもUSGAへの抗議のメッセージだとの解釈もいまだ根強い。
こじれた関係の修復はできるのか。
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