先週の小欄で、USGAと選手の"対立"について紹介したが、先日、フィル・ミケルソンが全米オープンのコースセッティングを批判。真意やいかに。
「私は全米オープンに29回出ているが、雨が降らなければ100%、彼ら(USGA)はコースを台無しにしてきた。雨が唯一、コースの調整器だ。雨なしには制御できないんだ」とミケルソン。
ミケルソンといえば、昨年、シネコックヒルズの乾ききったグリーンからこぼれ落ちそうになっているボールを(まだ動いているにもかかわらず)、意図的に打って、2打罰を受けたことは記憶に新しい。失格処分でも文句は言えないような状態をUSGAに救われた(?)にもかかわらず、この辛辣な批判。実はこれ、今年の全米オープンに是が非でも勝ちたいという思いの強さの裏返しかもしれない。
全米の最終日に49歳になるミケルソンは、4大メジャーを制するグランドスラム達成(残りは全米オープンのみ)について「チャンスはあと2回しかないように感じている。今年と多分来年のウィングドフッドだ。唯一勝てていないメジャー……これは大きなプレッシャーだ」と語っている。
ミケルソンは今年の全米の会場のペブルビーチで、荒れた天候の2月に開催されたAT&Tで優勝している。となれば、グリーンさえ速くなければ……と考えるのは当然か。そこで、もし雨が降らなくてもグリーンのスピードを遅くしてもらおうと、先の「雨なしに制御できない」発言でUSGAを牽制しているのではないかと見立てられるのもむべなるかな。
そもそもUSGAにも問題はある。かつてはフェアウェイの狭さ、ラフの深さや難しさが、全米オープンの特徴といえたが、それがマスターズに倣い、グリーンの速さを強調するようになってきた面がある。ある選手が「毎年異なったコースで開催される全米オープンでは、オーガスタのように速いグリーンを作るのは無理」と語っていたが、選手たちのコースセッティングに対する不満が溜まっており、それをミケルソンが代表(便乗?)して語ったのかもしれない。それがミケルソンの戦略だとしたら、それはそれは……。
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