米女子ツアー、メジャー第3戦KPMG全米女子プロ選手権でオーストラリア出身の22歳ハンナ・グリーンがツアー初優勝を飾った。豪州勢のメジャー勝利は13年ぶり。あまり聞いたことのない名だが……。
ノーマークのグリーンが初日から首位を快走。決勝ラウンドでは実力者アリヤ・ジュタヌガンとの同組対決を制して完全優勝を達成した。
「初優勝がメジャーだなんて。これ以上うれしいことはありません」と感涙にむせんだ新チャンピオン。
彼女を出迎えた同僚のなかにはオーストラリアゴルフ界のレジェンド、カリー・ウェブの姿も。じつはグリーン「カリー・ウェブスカラーシップ(奨学金)」を受給。15年には年間優秀選手としてウェブから招待を受け、全米女子オープンを観戦するチャンスに恵まれている。
「4年前にロープの外から見ていた選手たちと同じ舞台で戦って勝ったなんて信じられません! 夢みたい」とグリーン。試合を観戦するだけでなく、ウェブの借りた家に一緒に泊まり、レジェンドの一挙手一投足を目の当たりにしたことで「ゴルフへの向き合い方が変わった」という。
この体験に刺激を受けた彼女は15年のニュージーランドオープンでリディア・コーに次ぐ2位入賞。17年に米下部ツアーデビューを飾ると3勝を挙げ、新人賞に輝いた。LPGAツアーに昇格した昨年にはシードを決め、今季初のトップ10入りがメジャー勝利。豪州勢がメジャーに勝ったのは殿堂入りのジャン・スティーブンソンとウェブに次ぐ3人目の快挙だ。
ウェブは「私のほうが緊張しました(笑)。堂々とプレーした彼女はずっと大人。成長したんですね」と目を細める。
下部ツアーで初優勝したときも真っ先に祝福メールをくれた心優しい先輩は「私は後輩のチアリーダー」と自負している。ウェブが撒いた種が立派な花を咲かせオーストラリアに夢と誇りと刺激を与えた。それにしても、プロゴルファーにしてグリーンとは……いい名前じゃないですか!
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