諦めない人にチャンスは巡ってくる。11年ぶりVのストーリー
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2019/07/16号
2019/08/20更新

諦めない人にチャンスは巡ってくる。
11年ぶりVのストーリー

 トラベラーズ選手権で優勝したのはチェズ・リービー(37)。ルーキーイヤー以来、11年ぶりの2勝目だ。

 フィル・ミケルソンやジョーダン・スピースら有名どころが予選落ち。ブルックス・ケプカ、フランチェスコ・モリナリが下位に沈んだ大会で主役に輝いたのがリービー。6打リードで迎えた最終日は、地元の声援を一身に集めたキーガン・ブラッドリーに一時1打差まで詰め寄られるも最後まで耐えて4打差のゴール。実に250試合ぶりに勝利の美酒に酔いしれた。

 「全米オープンの最終日に良いプレーができた(最終結果は3位)のが自信になった。それが最終日に生きた」とリービー。アリゾナ州立大出身でルーキーイヤーの08年、RBCカナディアンオープンで初優勝を遂げて期待されたが翌年は賞金ランク146位に急降下。以降左手首のケガに悩まされ、下部ツアーに陥落するなど苦戦が続く。14年には悪化した手首の手術を受け「患部に負担がかからないようダウンスウィングをよりなだらかにするスウィング改造を行い、トレーニングに水泳を取り入れた」。すると徐々に成績が上向き、18年のフェニックスオープンではプレーオフに進出。ゲーリー・ウッドランドに敗れたものの存在感を取り戻した。

 「1勝目のあとすぐにまた勝てると思ったか、って? いやゴルフはそんなに甘くない。周りはすごい選手ばかりだしケガにも悩まされた。その間人生やゴルフについていろいろ考えたよ」。そして彼が導き出した答えは「すべての瞬間を楽しもう」ということ。「辛い時期を経験しなければそういう境地にはなれなかった。だから勝てなかった11年は自分にとって良い経験だったと思っている」

 まさに「待てば海路の日和あり」を地でいったリービー。パワーヒッター全盛の時代に平均飛距離286・5ヤード(157位)の飛ばない男が演じた復活劇。ケガを乗り越えコツコツ挑戦し続けた彼のストーリーに励まされる人もいるのでは?

  
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