米LPGAのマイク・ワンコミッショナーはフラストレーションがたまっているという。
ワン氏がコミッショナーになった2010年、米女子ツアーのテレビ放映はわずか100時間、しかもその65%が録画放送だった。しかし、今年は500時間の放映があり、しかもそのうちの90%がライブ中継だ。この10年で格段の進歩があったにもかかわらず、彼はまだまだ不満だという。
というのも、地上局のネットワークでのテレビ放映が少ないからだ。試合数でいうとわずか5。メジャーであるANAインスピレーションとエビアン選手権でさえケーブル局のゴルフチャンネルで放映されているのだ。
そのANAインスピレーションで今年優勝したコ・ジンヨンは、昨年の新人王で、女子の世界ランク1位(6月28日現在)だが、アメリカでは名前もあまり知られていないという。また、LPGAが蚊帳の外に置かれたオーガスタナショナル女子アマ選手権が、ANAインスピレーションと同週に地上局ネットワークのNBCで放映されていたことも、彼女の知名度が上がらなかった理由の一つだろう。
ワン氏は「もし、34週の週末を(地上局で)放映させてくれれば、私はコ・ジンヨンを皆に愛される選手にすることができるし、彼女の物語やスウィングを皆が知ることになる。しかし、年間5試合では、名前の発音さえ伝わらない。男子のPGAツアーのように、多くのプレーヤーの名前を人々が知るようになってほしい」と語る。
熱心なゴルフファンなら、ケーブルや衛星局のゴルフ中継を見るのだろうが、それでは新しいファンがつかないし、視聴率も上がらないということだ。
米LPGAは、あと2年強、現在のゴルフチャンネルとの契約が継続されるが、2022年以降は地上局の中継を増やそうと活動を始めている。コミッショナーはフラストレーションを解消できるだろうか。
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