霞ヶ関CCでの日本ジュニア(8月14~16日)で、同時期に開催される東京五輪の"予行演習"が行われた。
東京五輪は男子が来年7月30日~8月2日、女子は8月5~8日と決定しており、開催時期の近い日本ジュニアで五輪のテストを実施した。柱となったのは3部門。①テクノロジー試運転②ギャラリー、選手の動線③暑さ、雷などの天候対策だ。①はボールの軌跡を追う「リザルトシステム」の導入。3人が機器操作に当たったが、日本初お目見えとあって、慣れるまでには時間がかかりそう。また各組にはボランティアのスコアリングマーカー1人が帯同し、選手のスコア、クラブ選択、どのような状況で打ったかなど端末に入力して会場内のネットワークに送るなどのテストも行われた。前日に4時間の講習が開かれたが、機器に慣れておらず戸惑う人も。②ではローピング(ロープ、杭には緑色を使い、景観を損なわない工夫を)を実際に見せて説明。ボール落下地点のライによってギャラリーの動線を考慮したというが、これはどの試合会場でもやっているのでは? と思われた。
③の天候対策。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会・大会運営局次長の森㤗夫氏は成果について「実際、雷が来たため、発生の際、どのようにしたらいいか判断できた。避難所、避雷針をどこに増やすのか検討材料が具体的になりました」と話す。また気になる高温対策としては「日光による暑さを防げる施設や、水分を補給できる施設をどうするか。またJGAが設置した屋外用のクーラーや、スコアラー、競技委員へ配備した冷却剤付ベストなどの成果を見ながら検討していきたい」。暑さ対策にもっとも効果があると思われる冷却ミストは、放出しすぎると湿度が上がり、熱中症の危険性は増すというから、頭の痛い問題のようだ。
1日最大2万5000人のギャラリーが予想され、選手輸送やコース周辺の交通規制、熱中症など医療体制もまだ確定的なものはなく、組織委では今後の検討材料という。しかし本番まで1年を切った現在、悠長にもしていられない。同CCのメンバーの「この時期にやるなんて無茶だ」という恨み節は空耳ではない。
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