戦後最悪の日韓関係とも言われるなか、韓国女子ツアーで孤軍奮闘中の高林由実プロ(33)をインタビューした。
ゴルフダイジェスト(以下GD) 日韓関係は最悪とも言われていますが、個人的に影響はありますか?
高林由実(以下高林) それが……、皆さん、優しくて、韓国に来てから正直、一度もイヤな経験をしたことがないんです。KLPGA発行の月刊誌でも5ぺージの特集記事を組んでもらいましたし、カン・チュンジャ首席副会長からも、予選落ち直後に「一打足りなかったね。ファイティング!」と優しく声をかけてもらいました。一カ月前には、両親も北海道から陣中見舞いに駆けつけてくれましたが、拍子抜けするほどで、安心して帰って行きました。
GD 昨年末のKLPGAのインターナショナルQTを26位で通過。韓国ツアーフル参戦の印象はいかがですか?
高林 韓国のゴルフ場は地面が固く、アプローチなどバウンスが弾かれてミスすることがよくあります。韓国人選手は皆スウィングが綺麗で、アイアンショットがパワフル。速いグリーンや固いフェアウェイなど難しい条件に慣れた韓国人選手が強い理由がわかりました。日本のコースはメンテナンスが良く、とても綺麗。韓国から来た選手からすれば、練習場のマットや絨毯から打っているみたいに簡単なんだろうと思いました。
GD ツアー生活は楽しめていますか?
高林 キャディを務める妹(里果さん)とはよく一緒に食事に行きます。サムギョプサル(豚の三枚肉)とか、おいしいんです。韓国人選手はみんな若くて、私はこの試合(ハイワンリゾート女子オープン)では上から二番目。一番の先輩は米ツアー帰りのアン・シヒョンプロの35歳です。それに副賞が豪華! ホールインワン賞に高級車ベンツが出たときには驚きました。選手のやる気が出るわけですね。
GD ゴルフ場以外で失敗談はありますか?
高林 妹とレンタカーで韓国全土を回っているのですが、釜山で車線変更でパトカーに呼び止められたことがあるんです。国際免許証を出したら、イケメンの警官が笑顔で「早く行きなさい」と言ってくれました(笑)
8月末現在で15試合中、予選通過は3試合と苦戦中の高林だが、後半戦での奮起、そして二国の懸け橋に……期待は高まる。
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